風評被害 5月2日月曜集会講話
- 公開日
- 2011/05/02
- 更新日
- 2011/05/02
校長メッセージ
今日は風評被害についての話をします。
福島原子力発電所の放射性物資が流出した事故は、現在も続いており、特に福島県を中心に、放射性物資による汚染が心配されていることは知っていると思います。放射性物資の流出によるとともに、現在、放射能についての風評被害が大きな社会問題となっています。風評被害とは、うわさによって受ける被害のことを言います。
放射性物質の流出に関する風評被害について、新聞やニュースでどんな記事があるのか調べてみました。皆さんに紹介します。
・福島から転校して来た男児の席は教卓の前で左右は空席になっていた。
・南相馬市から避難して来た女子児童は、クラスの子供から避けられたり、陰口を言われたりして不登校になった。
・いわき市の運送会社は、「放射能の問題があるので、いわきナンバーで来ないでほしい」と取引先に言われた。
・福島ナンバーの車が首都圏のガソリンスタンドなどで利用を拒否された。
・福島ナンバーの車が駐車場に止めてあったら傷をつけられた。
・福島産、茨城産の野菜は、福島産、茨城産と表示されているだけで市場から敬遠されている。などがありました。
放射能物質は確かに恐ろしいですね。しかし、今紹介した事は、科学的に確かな根拠もなく、福島県=放射能に汚染されてしまっているという妄想や疑いによる差別やいじめと言えると思います。
放射性物質のため、住んでいた土地を離れ、家を無くさざるを得なくなってしまった人たち、米や野菜やつくろうとも汚染のため農作物をつくることができなくなってしまった農家の方がいます。私たちは、その人たちのために何かできることを考え、手助けをしなくてはなりません。まして、風評に惑わされ、風評被害に荷担するようなことはしてはならないことです。
今は、放射性物質による風評被害について話しをしましたが、皆さんは学校生活や日常生活の中で、さっきいったニュースのように、人のうわさに惑わされ、誤解して相手を傷つけてしまうことはないですか。
事実をよく知らないで、確かめもしないで決めつけて相手を責めてしまったことはないですか。
外見の好き嫌いで判断し、相手に傷つける言葉を言ってしまったことはないですか。 心の中で、相手を信じていなかったり、疑ったりする心が先にでると、うわさに惑わされ、差別やいじめへとつながってしまうのだと思います。
国会中継を聞いていたら、東日本大震災で被災にあい、避難所生活をしている地域では、犯罪が昨年より減っていると報告されていました。
福島や茨城など東北では、助け合い支え合い、辛抱して一日一日を送っています。私たちも、人を差別や偏見の目で見ないで、助け合い、支え合い、学校生活を送っていきましょう。