「よせ鍋」4月27日朝会講話
- 公開日
- 2009/06/19
- 更新日
- 2009/06/19
校長メッセージ
今、皆さんの教室には級訓が掲げられていますね。今日は、私が中学校3年生の担任をしていたときに、あった級訓にまつわる話です。
担当したクラスは、問題のあるクラスで、先生泣かせのクラスでした。4月の級訓決めで、2つの級訓が生徒から提案されました。
1つは「向上心」、もう一つは「よせ鍋」です。
よせ鍋とは、鍋のなかに野菜や魚やいろいろな具を入れて煮て食べる鍋料理のことです。
担任だった私は、当然、多数決をすれば、向上心という級訓になるだろう、進路を決めていく3年生にとって向上心はふさわしい級訓であるとおもっていました。よせ鍋なんて級訓を教室に掲示したらかっこわるいと考えていました。多数決の結果は、担任の私の思いに反して、よせ鍋が圧倒的多数で級訓に決まりました。
よせ鍋がどうして選ばれたのだと思いますか。
よせ鍋はいろいろな具がまじりあって味がでる。鍋は教室で、具は生徒一人一人、生徒一人一人は個性が違っているから、いろいろな個性がまじってうまい味になるというのです。同じ個性ばかりだとうまい味にならないというのです。
個性的なこのクラスの生徒たちにはぴったりの級訓なんだと、級訓が決まって思いました。そして、先生を困らせることばかりしているクラスなのですが、一人一人がクラスの仲間の個性を認めあっっていることがとてもうれしく思いました。
さて、新しいクラスがスタートして、20日あまり経ちました。新しいクラスで、クラスにいる一人一人がだんだん見えてくる頃だと思います。一人一人の個性が見えてくることだと思います。よせ鍋のように、誰もがその人しかない味をもっているのです。うまい味やまずい味なのではなく、その人しかだせない味があるのです。そんな味がまざりあって一つの味になる。よい味のクラスになる。同じクラスになった偶然をよい出会いにして、よいクラスにしていくのはこれからです。
平成21年4月27日 月曜朝会にて