学校日記

「2秒の決意」 3学期始業式式辞

公開日
2012/01/11
更新日
2012/01/11

校長メッセージ

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 2012年が始まりました。昨年は東日本大震災という千年に一度という大災害に見舞われた年でした。日本人が、人と人との絆の重さを感じた年でもありました。皆さんが支援している荒浜中学校の生徒は今日どんな始業式を迎えているのでしょうか?私たちは今なお不自由な学校生活を強いられている同じ中学生がいることを年があけても忘れてはならないと思います。

 さて、皆さんはどんなお正月を過ごしましたか。私は、箱根駅伝をテレビでみていました。箱根駅伝は、東京から箱根までの区間を往復する大学対抗の駅伝競技です。往復で、217.9キロあります。2日間で片道5人ずつが走り、合計10人がたすきをつないで走ります。今年は東洋大学が2年ぶりの優勝を勝ち取りました。

 私は、東洋大学テームの主将を務めた柏原選手のインタビューの言葉に心を打たれました。是非、皆さんに紹介したいと思います。
 
 柏原選手がインタビューでこう答えていました。「昨年,早稲田大学に、21秒差で負けたことが本当に悔しかった。あのときもっと力を出していればと後悔した。今年はどうしても勝ちたいと思った。21秒は10人で2秒、一人一人が2秒タイムを縮めるために1年間練習をしてきた。今日のタイムを1秒縮めよう,明日のタイムを1秒縮めようと思って走ってきた。」と答えていました。

 昨年,わずか21秒差で負けた雪辱を果たすために、そして,一人が2秒タイムを縮めることを目標に、練習に打ち込んだというのです。
 私は,21秒そして2秒の意味を考えてみました。駅伝は217.9キロで競う競技です。時間にすると約11時間かかります。そのうちのたったの21秒縮めることを目標にしたのです。一人分で考えると,一人は約20キロ走ります。時間にすると1時間少しかかります。そのうちのわずか2秒縮めることを目標に練習したというのです。

 わずか21秒で負けた雪辱を果たすために全員が話し合い練習し,わずか2秒を後悔をしないために,一人一人が必死で練習し,それを1年間重ね、その結果,東洋大学の選手たちは,大会新記録を樹立し優勝しました。行きも帰りのどちらも勝という総合優勝をしました。それも2位チームに9分以上の差をつけての勝利でした。9分以上の差をつけたことも大会初だそうです。
 やぶれたチームの監督が試合後のインタビューに答えていました。「うちと東洋大学との差は、勝ちたい気持ちの差」だと。
 
 さて,今日から3学期が始まります。新年に心に誓った目標があると思います。1学期2学期うまくいかなくて雪辱をしたいことがあると思います。
 全員で21秒,一人2秒と,すぐにできそうな目標でも,やろうという気持ちがないと目標を達成できません。そして、わずか2秒縮めるために,今日は1秒縮める練習をし,明日は1秒縮める練習をしたように、強い気持ちが必要です。
 3年生は卒業まであと2ヶ月、1・2年生は3ヶ月足らずとなりました。残し少ない日々,1日1日を目標達成むけて強い気持ちで取り組みましょう。

平成24年1月10日 3学期始業式にて